消化器内科 副部長
出田 貴康
学ぶ意欲に寄り添い
確かな成長を後押し
Interview | 01 岐阜を起点に広がるキャリア

私は岐阜市出身で、結婚した現在も妻や子どもとともに岐阜市に暮らしています。小学校6年生のときに岐阜に移り住んで以来、ずっとこの地に根ざした生活を送ってきました。

学生時代は、部活動に熱中する毎日でした。中学から大学卒業までの約12年間、ソフトテニスに打ち込み、ほとんど毎日のようにラケットを握っていた記憶があります。もちろん勉強も大切でしたが、どちらかといえばスポーツにエネルギーを注いだ学生生活だったと思います。今でもラケットは手元にあり、ふと思い立てば、またコートに立てる状態です。

医師の出発点として、初期臨床研修は岐阜県内の医療機関にて行いました。そこからのキャリアは多岐にわたり、大学病院だけでなく、地域の診療所や救命救急センター、さらにはアメリカ・コネチカット大学への留学も経験しました。大学院修了後は、美濃病院、そして大学の検査部門(病態情報解析学)での勤務を経て、2022年に中部国際医療センターに入職しました。

Interview | 02 幅広い分野に挑戦できる消化器内科の魅力

医師としての進路を考えたとき、自然と消化器内科に惹かれました。というのも、消化器内科は診る領域が広く、肝臓や消化管、胆膵など、多くの臓器をカバーしています。患者さんの数も多く、疾患のバリエーションも豊富なため、自分の興味や将来像に応じて活躍のフィールドを柔軟に選べることに、大きな魅力を感じました。

現在、私が専門的に取り組んでいるのは、肝疾患と炎症性腸疾患(IBD)です。特にIBDは、近年注目を集めている分野であり、新たな治療法やデバイスが次々と登場するなど、日進月歩で進化しています。そうした変化の中で、最新の医療知識を学び続け、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供していくことに、大きなやりがいを感じています。

これからのキャリアについては、まだ明確な方向性を決めているわけではありませんが、既存の枠にとらわれず、新しい挑戦にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。専門性を深めると同時に、新たな価値を生み出すような活動にも関心があります。

Interview | 03 主体性を大切にする“寄り添う指導”

当院の初期研修では、研修医が内視鏡の助手に入ったり、検査を見学したりする機会があり、実践的に学べる環境が整っています。ただ、私自身の指導スタイルとしては、一方的に教えるというよりも、研修医一人ひとりの「学びたい」という気持ちを尊重することを大切にしています。

たとえば、珍しい症例が出たとき、研修医が「これは何だろう」と興味を持ったタイミングで声をかけたり、質問を受けた際には、その場で丁寧に答えるようにしています。自らアクションを起こしてきたときには、それを見逃さず、できる限りの知識と経験を惜しみなく伝えるようにしています。

また、消化器内科では、内視鏡技術の習得に向けた練習用の模型も備えており、技術的なトレーニングの場も充実しています。初期研修の段階で身につけておくべき基本的な手技については、スタッフ同士が声を掛け合いながら、研修医がしっかりと経験できるようサポートしています。

すべてを丁寧に手ほどきするというよりは、自分から学ぼうとする姿勢を持っている人に、しっかり応える。それが私の基本的なスタンスです。そういった意味でも、主体的に学ぶ意欲のある人にとっては、非常に良い環境が整っていると感じています。

Interview | 04 多様性を受け入れる、開かれた研修環境

私が研修医だった約20年前と比べると、現在は医師としてのキャリア選択がずいぶん多様になったと実感しています。私が研修を受けた当時は、岐阜大学の関連病院で経験を積み、そのまま医局に所属するのが一般的な進路でしたが、今では個々の志向に応じて柔軟な進路を選べる時代になりました。

当院にも、岐阜大学や愛知医科大学をはじめ、さまざまな大学出身の研修医が在籍しています。3年目以降に県外へ進む人も珍しくなく、医局に縛られず、自分の意思で進路を決められることは、今の若い世代にとって大きな魅力になると思います。

また、当院には外国籍の患者さんも多く、言葉や文化の違いに向き合う場面が日常的にあります。通訳の方が常にいるわけではないため、そのような時に「どう伝えるか」「どう理解してもらうか」といった問題解決能力が自然と鍛えられます。これは語学力とは別のスキルであり、非常に実践的で、現場で役立つ力だと感じています。

さらに、海外からの見学者や研修生が訪れることもあり、医療現場で異文化に触れる機会があるのも、当院ならではの特徴です。そうした環境の中で、さまざまな価値観に触れながら働けることは、自分の視野を広げる大きなきっかけになると思います。

Interview | 05 症例数と実践力が、確かな自信につながる

消化器内科は患者数が非常に多く、やや忙しい科ではありますが、その分、多くの症例に触れることができ、研修医にとっては手を動かすチャンスに恵まれた環境です。腹水穿刺や中心静脈カテーテルの挿入といった基本的な手技も、周囲の医師と連携しながら、しっかり経験してもらえるようにしています。

また、当院は三次救急を担う中核病院であり、当直中に対応する症例の数や種類も多岐にわたります。2年間しっかり取り組めば、幅広い臨床力と実践的な自信を身につけることができ、次のステージに進むための確かな土台となるはずです。

もちろん、すべての診療科が揃っているわけではないため、たとえば精神科や血液内科などを強く志望している方にとっては、マッチしにくい面もあるかもしれません。けれども、「幅広く学びたい」「いろいろなことにチャレンジしたい」と考える方にとっては、多くの可能性が広がる病院だと感じています。

Interview | 06 自分のペースで、自分なりの目標を見つけてほしい

初期研修をより実りあるものにするためには、「自分から動いてみる姿勢」が非常に大切だと思います。教える側としても、「何を求めているのか」「どこまで任せていいのか」がわかりにくいこともあるので、気軽に質問してもらったり、「やってみたい」と声をかけてもらえると、こちらもよりサポートしやすくなります。

とはいえ、最初から明確な目標を持っている必要はありません。「まずは現場を見てから考えたい」というスタンスでもまったく問題ないと思います。実際に患者さんと向き合い、手技に触れ、医療の現場を肌で感じることで、自然と自分の方向性が見えてくるはずです。

学年が上がっていくにつれて、後輩に症例を譲ったり、サポートに回る場面も増えてきます。だからこそ、初期研修の間にできるだけ多くのことを経験し、わからないことや知りたいことがあるときは、遠慮なく声をかけてください。

若いうちにしか得られない経験が、将来きっと自分の支えになります。そうしたチャンスを逃さず、前向きに活かしてもらえたら嬉しいです。

Profile

プロフィール

消化器内科 副部長

出田 貴康

消化器内科 副部長

出田 貴康

経歴
  • 岐阜大学 平成19年卒業