program
研修体制・研修プログラム

臨床研修病院としての特徴

当院の特徴は診療能力を高めるために地域医療に密着した医療現場で小児から高齢者にいたるさまざまな年齢層の日常的な診療から、高度医療機器を利用した最新の医学診断にいたる幅広い分野の研修を行うことです。

近年の新しい医療に対する患者の要請に応えられるよう、全ての臨床医に求められる基本的臨床能力や態度を養い、プライマリー・ケア、救急医療に対処できる臨床医を育成します。

臨床研修医は基本的医療技能の修得を図るとともに、問題解決能力と意欲、医師としての行動、心構え、態度、マナーについても研修します。

教育システムとカリキュラム

教育システム

診療チームを形成し、チーム医療の一員としてトレーニングします。
臨床研修医(1~2年目)Teaching Assistant(3〜7年目)Teaching Staff(8年目以上)を基本的な診療チームとします。

Teaching Assistant(3〜7年目)について

臨床経験3年目以上(院内認定主治医)の医師が担当します

  • 研修医の医師としての生活、態度、病院一般業務を指導
  • 保険診療、医師法及び関連医療法規の遵守についての指導
  • 基本的医療知識、基本技術の指導
  • 生涯学習、自己学習

Teaching Staff(8年目以上)について

下記の指導医が担当します

  • 院内資格認定指導医
  • 各科学会の認定医
  • 厚生労働省指針に従って認定された指導医

研修期間とプログラム

名称 中部国際医療センター 臨床研修プログラム C
役割 全人的プライマリー・ケアと基本的診療を行うことができるよう必要な診療能力(知識、技術と態度)を身に着けられるよう育成する。
基本理念 医師としての人格を涵養し、医学・医療の社会的ニーズを認識して日常診療で遭遇する疾病に適切に対応できるよう、基本的・専門的診療能力(態度、技能、知識)を身につける。
研修期間 2年間(2年間一貫プログラム)
研修科目 必修分野+選択科目のローテーション方式
必修分野 内科(循環器、消化器、内分泌、腎臓、呼吸器)、救急(麻酔科含む)、外科、小児科、産婦人科、精神科、総合診療、地域医療
選択科目 内科(循環器・消化器・内分泌・腎臓・呼吸器)、外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、小児科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、形成外科、放射線科、麻酔科、救急、精神科、病理診断科、ICU
※必修分野の再選択も可能です。
協力型病院
  • のぞみの丘ホスピタル(精神科)
  • 多治見市民病院(腎臓・リウマチ膠原病内科)
  • 国立病院機構長良医療センター(呼吸器内科)
  • 岐阜大学医学部附属病院(第一内科、第三内科、脳神経内科)
協力施設 郡上市民病院、鷲見病院、飛騨市民病院、津保川診療所、美濃病院

研修スケジュール

研修スケジュールは1クール約4週として、年間13クールに振り分けます。
1年目については、必修である内科28週救急科12週小児科4週外科4週精神科4週を履修します。
2年目については、必修である産婦人科4週総合診療4週地域医療4週を履修し、残りの40週は選択科より複数科選択します。
履修済みの科を再履修することも可能です。

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1年次 内科28週 救急部門
12週
小児科
4週
外科
4週
精神科
4週
2年次 産婦人科
4週
総合診療
4週
地域医療
4週
選択 40週

診療科別臨床研修プログラム(PDF)

研修内容

年次ごとの研修内容

1年次

はじめに総合診療能力修得の前提として、オリエンテーション研修を行い、基本的知識と技術を学ぶとともに、医師として必要な態度を身につけます。
その後、内科28週、救急科12週、小児科4週、外科4週、産婦人科4週、精神科4週を研修し、医療体験を豊富にします。
この期間に初期診療能力や全身を総合的に診療する能力を高めます。
また全科の支援体制が整備されているので、必要時には他科へのコンサルテーションが可能であります。

2年次

地域医療を経験するとともに、各自の選択により複数科を選択して診療能力を高めます。
選択科目として、内科、外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、小児科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、形成外科、放射線科、麻酔科、救急、精神科、病理診断科より選択します。選択履修の範囲を広げるために、マイナーパックの制度もあります。
全科の支援体制が整備されているので、必要時には他科へのコンサルテーションが可能です。

診療科ごとの研修内容

内科

循環器内科8週、消化器内科8週、内分泌代謝内科4週、腎臓内科4週、呼吸器内科4週の計28週。
プライマリ・ケアだけでなくある程度の専門性を修得します。
将来、他部門に進む者にとっても必要な項目に加えて、内科学会認定医の受験資格を得るための必要な修得項目の基本的事項を修得します。

救急科

地域の救急医療の砦として、救急車は24時間365日、満床であっても一旦受け入れ、入院が必要であれば転院先を探します。
午前中は救急車を中心に、午後は病院に来院したすべての患者さんも対応する北米ER型の救急部門です。
屋上ヘリポートも完備し、一刻を争う患者の搬送が可能です。また救急ワークステーションやドクターカーの運用も行なっており、救急現場まで医師や看護師が駆けつけることでスピーディーな救急対応・初期治療を実現しています。

小児科

新生児から中学生(一部高校生)までの小児内科の患者さんを診療しています。
紹介患者数が多く、幅広い疾患を経験することができます。勉強になる症例を指導が直接指導しています。

外科

中濃地区のがん拠点病院であり、消化器癌に対する外科的治療、薬物治療(抗癌剤治療)、放射線治療、それらを組み合わせ
た集学的治療を積極的に行っています。

総合診療

初・再診患者の診療を通し、診察した患者さんに対しての入院対応(診断から治療へのプロセスを中心に、他職種連携、多様な
包括的アプローチ)を、指導医、上級医の監視のもと、指導を受けながら一般外来対応における基本的診療能力を体得できます。

産婦人科

産科、婦人科とも偏リなく診察を行っています。少人数制を生かして、ほとんど全ての手術に参加してもらう事ができます。

地域医療

地域医療の実情を理解し、外来・入院・在宅・救急診療を通して、多様な疾患に対する医療の実践を経験出来ます。
協力施設:郡上市民病院、鷲見病院、飛騨市民病院、津保川診療所、美濃病院

マイナーパックの紹介

選択履修の範囲を広げるために、2週問を単位としてマイナーな診療科をローテートすることができる制度です。
例えば、耳鼻科(2週間)+眼科(2週間)で1クールといった組み合わせで履修することができます。

オリエンテーション

研修当初に院内諸規定をはじめとする当院の職員としてのレクチャーを受けます。

カンファレンス

各科において、症例について報告、検討を定期的に行っています。

当直カンファレンス

救急部門の指導医より、救急外来で選遇する疾患の初期対応から、研修医教育に必要な内容を指導してもらいます。
また研修医が経験した救急症例を提示し、指導医からフィードバックを受け、対応方法を学びながら情報共有をしています。

研修会

診療研修会、K’sカンフアレンス、中濃医学セミナーなど、定期的に開催しています。

テーマ 診療科・部門 講師
ルート確保研修 2年目研修医
ナート実習 外科 小久保健太郎
心電図の読み方と救急外来での不整脈対応 循環器内科 中島孝
血液ガス分析の解釈法 内分泌代謝内科 藤澤太郎
シーネの巻き方 整形外科 藏満紀成
気管挿管 救急部門 岩瀬塔真
CVカテーテル挿入 消化器内科 大島靖広
腹部エコー実習 放射線科 西堀弘記
脳神経外科領域救急初期対応 脳神経外科 武井晃啓
救急外来でみる産婦人科疾患 産婦人科 加藤将人
K’sカンファレンス
~めまい患者に出会ったら~
総合内科 福島県立医科大学会津医療センター
山中克郎
血液浄化療法
-総論:治療法の選択方法について-
腎臓内科 杉田道久
眼科救急 眼科 物江孝文
ERで心臓CTを使いこなす 循環器内科 髙橋 茂清
血液浄化療法について 臨床工学技術部 汲田啓太

K’sカンファレンス
~病気を正しく診断する、そのポイントとは?〜

総合内科 岐阜大学医学部付属病院
森田浩之

※2023年度実績一部抜粋

指導体制と評価

当院では、原則として研修する診療科ごとに指導医をはじめ、医師及び医療関係者全員により指導する体制をとっています。
診療科により指導を行う医師の配置数は異なりますが、運用の決定、総括は指導医が責任をもって行います。

評価方法

  • 研修中あるいは研修後の評価については、定期的な自己評価と共に研修評価責任者による定期的な評価を実施します。
    また、機会があれば各科の指導医と共通研修目標について到達度を確認します。
  • 各科別の研修目標については、指導医と学習者の間で研修到達度の相互評価を行います。まず、学習者が事前に自己評価を 3 段階で行い、それに対して指導医が 3 段階評価を行います。その後、両者の相互評価に基づき、達成項目と未達成項目についてその原因を探ると共に、翌日からの研修の中で未達成項目を達成するための具体的な方法を決定します。
  • 研修修了後は総括となる相互評価を実施すると同時に、未達成部分(特に必修項目)を 今後のローテートの中でどのようにして達成するかを指導医あるいは研修評価者と検討します。
  • 研修到達度評価の基準と、研修目標の各項目に対して設定された優先度の基準を示します。学習者と指導者はこの優先度に基づいて短い研修期間で最大の成果が得られるように、カリキュラムを構成していきます。

修了認定

プログラム指導者の認定に基づき、中部国際医療センター研修管理委員会は修了を認定し、プログラム名称・研修期間を明記した修了証書を授与します。

履修後のコース

基本的には本人の希望コースとします。

  1. 専門研修プログラム中部国際医療センター基幹プログラム(内科・皮膚科・救急科・総合診療・麻酔科)
    ※この際、研修評価を重要視
  2. 他施設の基幹プログラムを希望する場合、希望者には、研修評価表を添え、病院長の推薦状をお渡しします