
充実した指導のもとで、
日々技術を磨いています


横井恒樹と申します。岐阜市出身で、岐阜大学医学部を卒業しました。学生時代は実家で暮らしていましたが、当院への入職を機に美濃加茂市へ引っ越し、一人暮らしを始めました。
高校まではクラブチームで器械体操に打ち込み、小学2年生から高校3年生まで続けていました。しかし、高校時代に医師を志す気持ちが固まり、勉強に専念することを決意しました。
2024年の4月から当院で研修をしており、研修医1年目として現在は消化器内科をローテーションしています。

父が医師だったこともあり、幼い頃からその影響を受け、医師という職業に憧れを抱いていました。特に父は泌尿器科の医師で、幼少期から「手術」という言葉を頻繁に耳にしていたため、「医師=手術をするもの」というイメージを持つようになりました。自然と外科系の道を志すようになったのも、その影響が大きいと感じています。
高校生の頃には、外科の中でも消化器外科に興味を持ち始めました。消化器外科は幅広い患者層を対象とする診療科であり、「食べること」は人間にとって非常に大切な営みです。それを支える外科的治療には、大きなやりがいや達成感があると考えました。また、病気の原因となる部位を取り除くことで、患者さんの生活の質を向上させられる点にも魅力を感じ、次第に消化器外科を志望する気持ちが強くなりました。
さらに、父が腹腔鏡手術について話していた影響もあり、腹腔鏡手術を手がける診療科に興味を持つようになりました。父とは異なる領域で技術を磨きたいと考えたことも、消化器外科を選択した大きな理由の一つです。
私は地域枠推薦で岐阜大学に入学したため、卒業後は岐阜県内での勤務が前提でした。そのため、初期臨床研修先も県内に絞り、4〜5施設を見学して比較しました。その際、高校時代から消化器外科を志していたこともあり、手術ができる環境や症例数の多さに加え、若手医師がどの程度実践の機会を得られるかを重視していました。
そうした中で、最も大きな決め手となったのは、父が当院に勤務していたことです。私が医学部に入学した頃、父は当院へ異動し、新病院の開院にも立ち会いました。設備が整い、症例数も増えた環境で研修を受けられることに加え、困ったときに気軽に相談できる身近な存在がいることは、大きな安心材料となりました。
また、外科には手術支援ロボット「da Vinci」が2台導入されていることも魅力でした。手術件数が増え、若手にも積極的に経験を積ませる方針があると聞いていたため、研修環境として非常に魅力的でした。もちろん、現時点ではda Vinciを扱うことはできませんが、将来的に関わる機会がある点も大きな魅力です。
さらに、部活の先輩が当院で初期研修を受けていたことも、選択の決め手の一つとなりました。研修の時期は重なっていませんでしたが、部活時代に最も親しくしていた先輩がいたことで、より安心感を持つことができました。
現在、1年次の11週目で消化器内科を回っていますが、少しずつ病院の環境にも慣れてきたと感じています。ただ、どの病院でも同じかもしれませんが、ようやく慣れた頃に次のクールへ移るため、一つの科を深く理解するのは難しい部分もあります。
それでも、学生の頃とは異なり、「自分が本当に関わっていかなければならない」という意識が強くなり、各科での学びがより実感を伴うものになっているのは、大きな変化だと感じています。
また、当院では職種を超えて温かい雰囲気があり、研修医の意見も積極的に尊重してくださると感じます。業務以外のサポートも手厚く、働きやすい環境が整っています。
さらに、病院全体として臨床に力を入れており、常に進化を続けているのも特徴的です。例えば、陽子線治療やダヴィンチの2台目導入など、設備のアップデートが進み、向上意欲の高さを強く感じます。こうした方針は理事長の考えによるものかもしれませんが、研修医として最先端の医療環境に身を置けるのは非常に恵まれていると思います。

私は他の研修医よりも早めに出勤することが多く、いつも7時半ごろには病院に到着します。8時からの病棟回診までの時間を使って、まずは昨日の救急外来のカルテを確認するのが毎朝のルーティンです。初期研修医にとって、救急対応は貴重な経験の場です。見学中心のローテーションとは異なり、自分が判断を求められる場面もあるため、迅速な対応力が求められます。少しの遅れが患者さんの命に関わることもあるため、日頃から積極的に症例を確認し、学ぶ姿勢を大切にしています。
また、私は外科志望ということもあり、当院に入職してから毎日 腹腔鏡手術のトレーニング を続けています。その一環として、折り紙でツルを毎日最低1羽折るようにしており、現時点で約400羽になりました。
8時から9時の間は病棟回診 を行い、カルテを記入。その後、9時から12時ごろまでは内視鏡の見学をします。
昼食を1時間ほど取り、13時過ぎから再び内視鏡の見学へ。午前中は主に上部消化管が中心ですが、午後は下部消化管や肝胆膵系の内視鏡検査を見学します。消化器内科は検査数が多いため、どうしても終了時間が18時〜19時頃になることが多いです。業務終了後は、その日の日中に救急外来を受診した患者さんのカルテを確認し、対応の流れを振り返りながら自己学習を行い、帰宅するようにしています。
私を含めて、同期は12名います。今年の特徴として、昨年まではさまざまな大学から集まっていましたが、今年は岐阜大学出身が多いです。そのため、もともと顔見知りの同期が多く、スムーズに研修をスタートできたと感じています。
人見知りで様子をうかがうような時間はほとんどなく、4月の初めから自然と集まる機会が多くありました。特に、同期のほとんどが寮に住んでいることもあり、誰かの部屋に集まって食事をすることがよくあります。そのため、特定のグループができることもなく、全体的にバランスよく仲が良いと感じています。
また、同期発信で勉強会を開くこともあり、互いに高め合える関係が築けています。もちろん、他大学出身の先生方とも早い段階から食事に行ったり、普段から気軽に話したりする機会があり、大学間の隔たりのようなものも特に感じていません。

上級医の先生方は私たちに対して丁寧に指導してくださり、相談しやすい環境が整っています。特に外科のローテーションでは、私が外科志望であることをあらかじめ伝えていたため、手厚い指導を受けることができ、実際に手術の経験を積む機会にも恵まれました。ただ、患者さんの命が関わる場面では指導も厳しくなり、そのたびに自分に足りないものを痛感するとともに、より一層学びを深める必要があると感じています。
また、知識や技術の不足についても、上級医の先生方が「何が足りていないのか」「どのように学ぶべきか」を具体的に示してくださるため、研修医として非常に学びやすい環境です。ただ漠然と「やっておくように」と指示されるのではなく、細かい指導を通じて改善点が明確になるため、日々成長を実感しています。
当院は、目の前の患者さんに向き合う診療を重視しています。そのため、臨床の現場で患者さんと直接関わりたいと考える方に適した環境です。また、市中病院でありながら、やや地方に位置するため、地域医療ならではの温かさや人柄が求められる職場でもあります。患者さんに優しく、丁寧に対応できる方にとって、働きやすい環境が整っています。
さらに、美濃加茂市という地域柄、外国人の患者さんが非常に多いのも特徴の一つです。特にブラジルやフィリピン出身の方が多く、救急外来にもそうした患者さんが多く訪れます。そのため、国際的な環境で働くことに関心がある方や、多文化医療に興味がある方にとっても貴重な経験を積める環境です。
実際の診療では、日本語が話せない患者さんと接する機会もあり、タガログ語や英語のみを話す方、日本語が難しい方もいらっしゃいます。先日もミャンマーの患者さんが来院され、電話で通訳を介して診療を行う場面がありました。こうした状況では、日本人の患者さんに使う「分かりやすい表現」でも十分に伝わらないことがあり、より噛み砕いた説明が求められます。言葉の壁を越えて正しく伝える力を養うことができるため、日々学びの多い環境です。
研修を充実させるためには、早い段階で進みたい診療科の方向性を考え、意思表示をしておくことが大切だと感じています。特に外科の場合、研修医のうちに経験した手術の症例数が、3年目以降の専門医取得の要件に含まれることもあります。そのため、希望を伝えておけば、上級医の先生方が考慮し、適切な経験を積めるよう配慮してくださることが多いです。
「まだ決まっていない」と伝えるよりも、「この分野に興味がある」と示しておくことで、研修の学び方も変わってきます。私自身、消化器内科を回る際に外科志望であることを伝えたことで、外科医の視点で消化器内科を学ぶべきポイントや、外科と内科の連携の重要性について指導を受ける機会が増えました。このように、意識を持って研修に臨むことで、3年目以降のキャリアにもつながる貴重な経験を積むことができると感じています。
現在、ポリクリや実習を回っている方も多いと思いますが、学生のうちに自分の志望科や将来のビジョンをじっくり考えられる機会は限られています。実習を通じて関心のある分野を見極めながら、自分のライフプランに合った病院を幅広く見ておくことが、将来の選択肢を広げるうえで重要だと思います。


ある日のスケジュール










